Jmailを使ってくださった
皆さまへ。
遅くなりました。

Jmail.co.jpを、もう一度インターネット上に置くなら、 最初に置くべきものは自慢話ではなく、謝罪だと思いました。

かつてJmailを選び、メールアドレスを作り、 日々の連絡や思い出を預けてくださった皆さまへ。 最後まで守りきれなかったことを、心からお詫びします。

ごめんなさい。

Jmailを使ってくださった皆さまへ。

あなたが選んだメールアドレス。 誰かに教えたその住所。 そこで受け取った言葉。 そこで送った言葉。 保存していたメール。 待っていた返信。

その一つひとつは、サービスを作った側から見れば「利用」だったかもしれません。 しかし、利用者の皆さまにとっては、もっと個人的なものだったはずです。

仕事の連絡。 友人との会話。 家族への近況。 恋の言葉。 旅先からの一通。 もう戻らない時代の、普通の毎日。

その場所を、私は最後まで守りきることができませんでした。

本当に、ごめんなさい。

Bradley L. Bartz Jmail.co.jp 創業者 Internet Access Center K.K.

Jmailは、明るい夢として始まりました。けれど、その背景は明るいだけではありませんでした。

Jmailは、成功の余裕から生まれたサービスではありません。 それは、最初の日本インターネット事業が厳しい局面を迎えたあとに生まれました。 事業が傷つき、現金がなくなり、人が離れ、未来が見えにくくなった時に、 それでも何かを作ろうとして生まれたサービスでした。

残っていたもののひとつが、.co.jp ドメインでした。 japan.co.jp、hollywood.co.jp、yokozuna.co.jp、california.co.jp。 それぞれのドメインには、言葉としての力がありました。 ただの技術的な住所ではなく、選ぶ楽しさがありました。

それを無料メールに使えば、利用者が自分らしいメールアドレスを持てる。 ただの受信箱ではなく、少しだけ自分を表す住所を持てる。 その発想がJmailでした。

Jmailは、メールアドレスを「選べるもの」にしたかったのです。

その発想には、今でも誇りがあります。 けれど、その誇りだけを語るわけにはいきません。 サービスを作ることと、最後まで守ることは違います。 私たちは、その違いを十分に理解できていませんでした。

選べるメールアドレス

Jmailは、@ の後ろにあるドメインまで選べるメールサービスでした。 その選択に、遊び心と自己表現がありました。

現実

資金と運用の不足

利用者が増えるほど、サーバー、運用、問い合わせ、保存、説明の責任が増えました。 その重さに十分対応できませんでした。

責任

終わり方の失敗

サービスを守りきれなかっただけでなく、終わり方にも十分な説明と準備を届けられませんでした。

Jmailを本当のサービスにしてくださったのは、利用者の皆さまでした。

会社はシステムを作ることができます。 ドメインを登録し、サーバーを用意し、画面を作り、メールを送れるようにすることはできます。

しかし、それだけではサービスではありません。 サービスになるのは、誰かが使ってくださった時です。 誰かがアドレスを作り、誰かに教え、メールを送り、受け取り、 その場所を日常の一部にした時です。

Jmailは、皆さまが使ってくださったからJmailになりました。

そのことを、私は忘れてはいけないと思っています。 そして、その同じ理由で、謝らなければならないと思っています。

Jmailを作ったのは私たちでした。
しかし、JmailをJmailにしてくださったのは、利用者の皆さまでした。

感謝

選んでくださったこと

数ある選択肢の中で、Jmailのアドレスを作ってくださったことに、心から感謝しています。

謝罪

守りきれなかったこと

その信頼に最後まで応えられなかったことを、心からお詫びします。

遅すぎることは分かっています。それでも、何も言わないままにはしたくありません。

Jmailが終わってから、長い時間が過ぎました。 インターネットは大きく変わりました。 メールも変わりました。 人々の連絡方法も変わりました。

いまさら謝っても、昔のメールは戻りません。 失われたアドレスも戻りません。 当時困った方の不安や不便を消すこともできません。

それでも、何も言わないままにしておくことは違うと思いました。

Jmail.co.jpというドメインをもう一度表に出すなら、 それは「Jmail復活」ではなく、 「Jmailを使ってくださった方への謝罪」から始めるべきだと思いました。

遅すぎる謝罪でも、しないよりは、向き合うべきだと思いました。

これは再開ではありません。

現在のJmail.co.jpは、メールサービスではありません。 昔のアカウントにログインすることはできません。 昔のメールを復元することもできません。 昔のメールアドレスを再発行することもできません。

もし昔のJmailを探してこのサイトへ来てくださった方がいるなら、 その期待に応えられないことを心からお詫びします。

このサイトは、謝罪、記憶、記録のための場所です。

そして、もう一度、はっきり書きます。 Jmailを最後まで守りきれず、本当にごめんなさい。

Bradley L. Bartz Jmail.co.jp 創業者 Internet Access Center K.K.

作る力と、守る力は違いました。

起業家は、作ることに集中します。 新しいサービスを作る。 人を驚かせる。 利用者を増やす。 メディアに取り上げられる。 投資を受ける。 次のアイデアへ進む。

その熱は、時に大切です。 何もないところから何かを作るには、少し無謀な力が必要です。

しかし、メールサービスは、それだけでは足りませんでした。 メールは、人の日常を預かります。 受信箱には、仕事、家族、友人、恋、思い出が入ります。 無料であっても、その責任は軽くなりません。

私は、作る力に比べて、守る力が足りませんでした。

無料サービスでも、預かる責任は無料ではありません。

そのことを、Jmailの失敗から学びました。 そして、その学びは遅すぎました。

作る

アイデアの力

Jmailには、複数の .co.jp ドメインから自分らしいメールアドレスを選ぶという強い発想がありました。

広げる

利用者の力

Jmailは、利用者の皆さまの興味、口コミ、日常利用によって広がりました。

守る

足りなかった力

サービスを安定して続け、終わる時には十分に説明する。 その力が足りませんでした。

Jmailの記憶は、私のものだけではありません。

私がJmailについて語ると、どうしても創業者側の物語になります。 どう作ったか。 どんな苦労があったか。 どんな記事が出たか。 どれほど利用者が増えたか。

しかし、Jmailの本当の記憶は、利用者の皆さまの側にもあります。 どのアドレスを選んだのか。 なぜ選んだのか。 どこでJmailを知ったのか。 どんな時に使ったのか。 使えなくなった時、どう感じたのか。

その記憶は、創業者の記憶よりも正直かもしれません。

Jmail.co.jpでは、いつかそうした記憶も、個人情報を守りながら残したいと思っています。 ただし、昔のメール本文や他人の個人情報は残しません。 残したいのは、秘密ではなく、時代の空気です。

Jmailの歴史は、利用者の数だけありました。

記憶を残す

小さな一文でもよい

「昔、Jmailを使っていた」 「このドメインを選んだ」 そのような短い記憶も、日本の初期インターネットの一部です。

記憶について

秘密を守る

メール本文は送らないでください

残すべきなのは時代の記憶であり、個人的なメール本文や他人の個人情報ではありません。

失われたメールについて

Jmailの物語は、本にも残しました。しかし、このサイトでは謝罪を先に置きます。

Jmailの背景は、『Japan.co.jp — Hardhat Required』の中に記録されています。 第16章は「The Jmail Phoenix」です。 そこには、Jmailがどのように生まれ、どのように広がり、 どのような苦しさを抱えていたのかが書かれています。

しかし、本を紹介することには注意が必要です。 旧利用者の皆さまに向けた謝罪の場で、最初に本を売るような印象にはしたくありません。

本は背景です。 中心は、Jmailを使ってくださった皆さまへの謝罪です。

歴史を語る前に、責任があります。
本を紹介する前に、謝罪があります。

この背景にある本

Jmailの物語は、『Japan.co.jp — Hardhat Required』に記録されています。

第16章「The Jmail Phoenix」には、 Jmailが崩壊のあとに生まれた無料メールサービスとして記録されています。 そこには、ドメイン、技術、Launch、Little Blue、成長、投資、そして苦い現実があります。

ただし、このサイトでは、本の物語より先に、旧利用者の皆さまへの謝罪を置きます。

起業の物語を読む
Bradley Lawrence Bartz 著『Japan.co.jp — Hardhat Required』表紙

Jmail.co.jpは、静かなサイトでよいと思っています。

Jmail.co.jpを、派手な復活サイトにするつもりはありません。 大きな宣伝文句も、過剰な演出も、必要ないと思っています。

必要なのは、静かな言葉です。 謝罪。 記憶。 記録。 そして、できることとできないことの明確な説明。

旧Jmailアカウントは戻せません。 旧メールは復元できません。 旧アドレスも再発行できません。

だからこそ、せめて言葉を残します。 皆さまが使ってくださったことへの感謝。 最後まで守りきれなかったことへの謝罪。 そして、Jmailが日本の初期インターネットに存在したという記録。

Jmailを使ってくださった皆さまへ。

本当にありがとうございました。

そして、本当にごめんなさい。

Jmailは、皆さまが使ってくださったから存在しました。 その事実を、これからも忘れません。

遅くなりました。 けれど、ここに残します。

Bradley L. Bartz Jmail.co.jp 創業者 Internet Access Center K.K.

謝罪

ごめんなさい

Jmailを使ってくださった皆さまへの謝罪文です。

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旧利用者へ

利用者の皆さまへ

Jmailを使ってくださった皆さまへの感謝と謝罪のページです。

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現在

メールサービスではありません

現在のJmail.co.jpでできること、できないことを明確に説明します。

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